
清春芸術村では、2026年8月1日(土)より、建築家・伊東豊雄氏による企画展「桜の下で―自然と建築―」を清春白樺美術館第2展示室にて開催いたします。
本展は、「子ども建築塾」(NPO 法人「これからの建築を考える」主宰/理事長・伊東豊雄)などを通じ、こどもたちの建築や街への意識を高め、思考や個性を伸ばす活動を続けてきた伊東氏が、こどもが触れる実際の建築としてここ清春芸術村のために設計した作品「こどもの遊び場」完成を記念し開催されます。
伊東氏が考える“こどものための建築”と、建築を構想するうえで常に考えている「内なる自然(Inner Landscape) 」とは、一体どういうものなのか。
会場では、新作「こどもの遊び場」の初期ドローイングをはじめ、代表作である〈せんだいメディアテーク〉(2001)や〈台中国家歌劇院〉(2016)の模型から、伊東氏の設計思想を読み解きます。
◾️「こどもの遊び場」について
完成する屋外建築作品「こどもの遊び場」は、“安藤忠雄 / 光の美術館”と“藤森照信 / 茶室 徹”を結ぶエリアに誕生します。鑑賞するだけでなく、「居場所」として、「遊具」として、子どもたちが自由に登り、降り、集い、遊ぶことのできる緩やかな起伏を持つ空間として構想されています。樹齢100年を超える桜群に囲まれた芝生広場の風景と調和し、世代を超えて親しまれる清春芸術村の新たな象徴となることを目指します。
※一般公開・ご利用開始は、2026年9月初旬を予定しています。
※2026年8月1日~9月初旬までは工事風景など外観のみ現地で見学いただけます。
■ 伊東豊雄氏ステイトメント
清春芸術村の芝生広場に子供の遊び場を考えた時、最初にイメージしたのは土の塔やマウンド、ほら穴などをつくり子供達がかけ回ることのできる公園のような場にしてはどうかと思いました。
しかしスペースの問題などを考慮し、今回はとりあえず土を盛り上げたマウンドと掘り起こしたくぼみをつくろうということになりました。
その時想い出したのは、かつて人々は満開の桜の下にまん幕を巡らせて宴の場をつくり、花見を楽しんだ風景でした。この風景は私の建築を考える原点でもあります。
敷地には多くの桜の木があるので、このマウンドやくぼみを桜の木の近くにつくってここで花見を楽しめるようにしようと考えました。花のない季節でも子供は起伏のある場所が大好きです。マウンドに上ったりくぼみに降りて歌ったり、話し合ったりゲームをしたり、お弁当を食べるなど楽しい居場所とすることができると思います。
私は都会で建築をつくる時にも建築の内に自然を感じさせる場所をつくりたいと常に考えています。建築の内に居ても子供が走り回ったり、大人もリラックスして憩える居場所をつくりたいからです。それは抽象化された自然であり、人々の心の中にある風景を抽象化したもうひとつの自然です。
それを私は〈内なる自然、(Inner Landscape)〉と呼んでいます。
今回は 2 つの対照的な模型を展示し、自然に対する私の想いを表現しました。
伊東豊雄
■ 伊東豊雄 プロフィール
建築家。1941 年生まれ。65 年東京大学工学部建築学科卒業。菊竹清訓建築設計事務所勤務を経て 71 年に自身の設計事務所を設立。
主な作品に「せんだいメディアテーク」、「多摩美術大学図書館(八王子)」、「みんなの森 ぎふメディアコスモス」、「台中国家歌劇院」、近作に「茨木市文化・子育て複合施設 おにクル」、「2025 年日本国際博覧会 EXPO ホール」など。
日本建築学会賞、ヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞、プリツカー建築賞など受賞。
2011 年に私塾「伊東建築塾」を設立。これからのまちや建築を考える場として様々な活動を行っている。
近代建築の思想を超えて自然と結びついた建築を追求し、機能を越えたより自由で快適な空間の創出に挑み続けている。
◾️展覧会概要
展覧会名:伊東豊雄展「桜の下で―自然と建築―」
会期:2026年8月1日(土)〜10月11日(日)
*8月中は休館日を設けず、毎日開館いたします
時間:10:00〜17:00(最終入館 16:30)
会場:清春芸術村 清春白樺美術館 第二展示室
(山梨県北杜市長坂町中丸2072)